歯科・口腔外科について
犬・猫の口腔内疾患とは? 見過ごしていませんか? 歯はとても大切です。
■ 猫の口内炎を完治させましょう!!
猫の難治性口内炎
ネコの口内炎の中で、歯を全部抜歯し、尚かつ抗生物質やステロイドを一年、二年、三年投与してもなかなか治りにくい口内炎があり、これは難治性口内炎と呼ばれます。
症状として猫は、痛みのため食餌はもとより水も摂取できなくなりどんどん体重は減少し衰弱してしまいます。
原因として、細胞診、血液検査や症状から免疫不全と臨床的に判断できますが、その根拠はまだ明確に解明されていないのが現状です。
基本的な治療法は、全顎抜歯を行い、可能な限り歯肉、口腔粘膜の炎症部位の切除になります。
また、、長期間、ステロイド療法を行なわれていることが多い為、原因となる免疫力の低下を改善するとともに、とにかく免疫力を高めることです。
免疫力が高まれば、痛みも取れ、徐々に食欲が出てきます。その結果、体重も増量します。
難治性口内炎の症状。
難治性口内炎に罹患しているネコは、栄養障害や免疫力が低下を起こしており、そして、個体は、細菌が分泌する酸や毒素により粘膜の炎症は激化し、その激しい痛みにより、1日に数回、あたかも狂わんばかりに両手で顔をこする動作をします。これは口腔粘膜の重篤な炎症が原因でですが、粘膜の神経は三叉神経の末端であるため、痛みはかなり激しいものとなります。
初期の段階でよく見られる症状として、激痛は基より、化膿による腐敗臭、嚥下困難、食欲不振、不透明な唾液分泌過多、被毛の汚れ、そして食餌量は徐々に少なくなり、体重が減少し重度の脱水も引き起こします。
この疾患の大きな問題点は、急激に症状が出現するというよりも、毎日、徐々に少しずつ悪化してくるため、全身状態がかなり悪くなってから治療を受けるケースが多い事です。また、猫の口腔炎症性疾患は、歯肉のみの充血、浮腫、および出血を伴う歯肉炎から粘膜と歯肉の境を超え口腔粘膜まで拡大します。しばしば潰瘍と強い肉芽組織の増殖を示し、炎症病変は、口蓋や舌上、舌下や後部後頭部まで及びます。
Case 1
歯肉炎・舌炎・口狭炎
歯肉炎・口狭炎
治療後
Case 2
治療前
術後2週間
術後4週間
猫の口内炎 FORL(猫の破歯細胞性吸収病巣)
猫特有の病気で、難治性歯肉口内炎とも呼ばれます。歯の頸(歯頚部)が吸収され強い痛みとよだれ、摂食困難な状態になることを言い、未だ原因は不明な点が多く、免疫機能の低下が炎症を引き起こしているとも言われています。炎症がひどくなると、口峡部や咽喉頭にまで炎症が波及し、痛みにより食餌が取れず衰弱してしまいます。治療法としては抜歯処置(場合によっては全歯抜歯)と活性型ビタミンの注射などの免疫力を向上させる治療があります。
口内炎を起こして歯肉が赤い
口腔後部炎 (口峡炎)
治療後
吸収されたレントゲン写真